【Excel】「$$」の意味(セルの絶対参照)と使い方

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  • エクセルの計算式で参照セルに「$」が使ってあるけど意味は何?
  • なんとなく意味はわかるけど「$」の使い方がわからない。

エクセルを使っていて、そんな経験はありませんか?

エクセルの操作に慣れるまでは、他の人が作ったエクセルの数式などを見て真似たり、流用して覚えていたりしているのではないでしょうか。

エクセルを始めたばかりで数式の中に出てくる「$」の使い方が、なかなか理解しづらいという方が多かったので「$」の意味と使い方を紹介します。

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計算式の参照セルに「$」を付ける意味(絶対参照)

エクセルの計算式で使われる「$」は指定したセルを固定するときに使います。

指定したセルを参照するケースは多くありますが、「$」を付けることで指定したセルは 絶対参照 となります。

「絶対参照」は言葉では少し説明が難しいのですが、エクセルの操作ではセルの参照や絶対参照を使うケースが出てきますので、実際に簡単なファイルを作ってエクセルの動作を確認すると覚えやすいでしょう。

エクセル 計算式「$」の使い方

計算式のセルに「$」を使う方法を、実際に簡単な表を作って行きながら説明をしていきます。

ここで使うファイルは以下のような簡単なものです。

よくある計算式なので応用が効くと思います。
単価と数量で消費税を計算し合計を求める簡単なファイルです。
消費税は8%や10%と変更しても再計算できるようにします。

消費税の入力

初期設定では、消費税率を8%で計算することにします。
E1」のセルに「8%」と入力します。

消費税の計算と合計を計算する

A部品の消費税と合計の計算式を作り、B部品とC部品に計算式をコピーしてファイルを作る方法で説明します。

消費税の計算

消費税は「単価」✕「数量」✕「消費税率」で計算します。
セルの参照を使って、消費税の計算式を入力しましょう。

A部品の消費税の計算式を「D4」のセルに入力します。

D4」のセルには ” =B4*C4*E1 ” の計算式を入力すれば消費税が表示されます。

サンプルファイルでは消費税(D4)が「8」と表示されます。

合計の計算

A部品の合計(消費税込)の計算式を「E4」のセルに入力します。

E4」のセルには “ =B4*C4+D4 ” の計算式を入力すれば合計が表示されます。

サンプルファイルではA部品の合計が「108」と表示されました。

単品の計算式をコピーする

単品(A部品)の消費税と合計の計算式が入力できたのでB部品・C部品にも計算式を入力しましょう。

エクセルの「オートフィル」の機能を使ってセルの内容をコピーする方法を使います。
「オートフィル」の機能を使えば簡単に連続したセルの計算式や内容をコピーすることができます。

解説

オートフィルとは、選択したセルの右下隅をマウスでクリックしたままドラッグすることでセルの内容を連続してコピーできる機能です。

消費税のセルをオートフィルでコピーする

A部品の消費税の計算式が入力された「D4」のセルを使い、オートフィルでコピーしてみましょう。

「D4」セルの右下隅をマウスでクリックしたまま「D6」までドラッグします。

D4」のセルをオートフィルで「D6」までコピーしましたが、表示されるはずの消費税の計算がうまくできていません。エラーの表示まで出てしまってます。
なぜならセルの絶対参照でオートフィルをしていないからなんですね。

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セルの絶対参照とは

ここから本題のセルの参照と絶対参照の違いを説明します。

エラーの出たセルの計算式を確認

消費税の計算ができなかったセルの計算式を確認してみましょう。

B部品の消費税の計算式を確認

B部品の消費税の計算式

B部品の消費税のセル「D5」には “ =B5*C5*E2 ” の計算式が入力されています。
消費税率の値には「E1」ではなく「E2」が入力されています。
E2」セルは空白なので「」で計算(乗算)され「D5」の計算結果は「」の表示になっています。( 100 ✕ 3 ✕ 0 = 0 )

C部品の諸費税の計算式を確認

C部品の消費税のセル「D6」には ” =B6*C6*E3 ” の計算式が入力されています。
こちらも消費税率の値には「E1」ではなく「E3」が入力されています。
E3」のセルには「合計」の文字が入力されているので計算ができません。よって、エラー( #VALUE! )の表示になっています。

エラーの出た原因は?

B部品・C部品の消費税の計算がエラーになった原因は オートフィルでコピーした計算式が間違っていたため です。そう、間違っていた所は消費税率の参照セルですね。

「D4」のセルをオートフィルすると計算式の対応するセルが自動で参照セルを書き換えてくれます。
ですので、B列とC列の参照セルは自動で変更しても良かったのですが、消費税率の「E1」セルまでもE列として参照セルが変更されてしまいました。

エラーの出た原因は「オートフィルで参照セルが自動で書き換わった」からなんですね。

もちろん、書き換わった計算式を毎回書き直してもいいのですが100行とかあった場合には対応できませんよね。
そこで、セルの絶対参照を使って解決しましょう。

$を使ってセルの絶対参照

セルの絶対参照とはこの場合、消費税率の参照セル(E1)を固定するということです。

参照するセル(E1)を絶対参照にするとオートフィルでセルをコピーしても参照セルは変更されません。

実際にセルの絶対参照を行ってみましょう。

セルを絶対参照にする方法は、計算式の中で絶対参照にしたいセル番号をマウスなどで指定してキーボードのF4キーを押します。

サンプル画像では計算式の中の「E1」をマウスで選んでF4キーを押しています。
「E1」セルは絶対参照となり、表示が「$E$1」になります。

実際に、先程の消費税計算の表を使って絶対参照で表示させてみましょう。

消費税率のセル「E1」をマウスで選んでF4キーを押して絶対参照にします。

A部品の消費税の計算式が入力された「D4」のセルを使い、オートフィルでコピーします。

B部品とC部品の消費税計算ができました。
実際の運用では、消費税計算の場合には「ROUNDDOWN関数」を使って小数点の切り捨て処理を行い整数で表示させます。

小数点切り捨て

消費税の計算では小数点は切り捨てて計算されます。
この記事では「小数点切り捨て」の関数について詳しく説明しませんので、簡単に紹介しておきます。
使う関数は「ROUNDDOWN関数」です。「=ROUNDDOWN(数値,桁数)」で入力します。
今回の場合には
ROUNDDOWN(B4*C4*$E$1,0)
の様に計算式と整数処理の桁数「0」を入力します。

B部品とC部品の合計と総合計を計算させてやれば完成です。

消費税率「E1」の値を8%から10%に変更しても計算結果が正しく表示されます。確認してみましょう。

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列の参照固定・行の参照固定の方法

F4キーを使って「$列$行」の形で参照セルを固定できました。この場合には決まったセルの値を絶対参照していましたが、「列だけ」「行だけ」を絶対参照で固定させることもできます。

セルの参照を固定するときにF4キーを使いましたが、実はF4キーを押すごとにセルの参照方法を変更することができるので、「列の参照固定」「行の参照固定」を使う方法を紹介します。

セルの参照方法の変更

数式の参照セルを選びF4キーを繰り返し押すことで「列だけ」「行だけ」を絶対参照にできます。

F4キーを押すごとに「A1」→「$A$1」→「A$1」→「$A1」→「A1」と繰り返されます。
$を付ける位置でセルの参照方法は変わります。
[F4]キー2回押しで「A$1」となり、行が固定されます。
[F4]キー3回押しで「$A1」となり、列が固定されます。

簡単な表を作って参照方法の確認をしてみましょう

今回の例では、A列の数字に対して「8%」と「10%」の値を表示させることにします。
ですので今回「B2」セルの数式は「=A2*B1」とします。

「オートフィル」を使って数式を一度にコピーしたいので、「B2」の参照セルに「行の固定」と「列の固定」の設定を行います。

参照セル「A2」は行を固定するのでF4キーを3回押して「$A2」にします。
次に、参照セル「B1」は列を固定するので F4キーを2押して「B$1」にします。

「B2」セルの計算式は「=$A2*B$1」となります。

参照セルの設定後に「B2」セルの数式をオートフィルでコピーしましょう。
「B3」「B4」セルにも正しい計算結果が表示されます。

コピー後の状態で、B列の計算式をC列にオートフィルでコピーしましょう。
C列の計算結果も正しく表示されます。

「B2」の計算式に「行の固定」「列の固定」を設定すると、セルをコピーするだけでセルの参照を自動で行い正しく計算されます。

「行の参照固定」や「列の参照固定」はこのような場合に使えますので覚えておくと時間短縮になりますね。

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セルの絶対参照で作業時間を短縮できる

エクセルの操作に慣れていないと効率的にファイルや表を作ることができません。

[F4]キーで「$$」を使ったりと、セルの絶対参照は少しなれるまでに時間がかかるかもしれませんが覚えておくと絶対便利で作業時間の短縮になります。

行の固定や列の固定は慣れないと「どちらを固定していいの?」と考えてしまい覚えにくいので、簡単な表などを作って何度か練習をしてみればいいですね。

以上、【Excel】で「$$」の意味(セルの絶対参照)と使い方の紹介記事でした。

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